個人再生の「住宅ローン特例」(住宅資金特別条項)の適用要件と

債務を圧縮する方法のひとつ「個人再生」は、住宅ローン債権を圧縮対象から除外することで持ち家を守れるのがメリットです。申請にあたっては適用要件があることに注意した上で、滞納が進まないうちに手続きを始めなければなりません。

個人再生の住宅ローン特例」(住宅資金特別条項)の基礎について、専門家が解説します。

住宅ローン特例とは

住宅ローン特例とは、分割払いの定めがある住宅関連債権を再生手続きの対象から除外することで、債務者の住環境を抵当権実行から守るための制度です。

適用要件は民事再生法で定められており、個別事例での適用可否については申立先の地裁が判断しています。

住宅ローン特例の適用要件

住宅ローン特例を適用するにあたり、①住宅そのものの要件・②住宅資金貸付債権の要件・③手続き方法の要件の計3つの要件をすべて満たさなければなりません。

どのようなケースでも個人再生すれば認められるというわけではない点に要注意です。

①住宅そのものの要件

住宅ローン特例における“住宅”とは、建物の床面積のうち50%以上が居住用途で使用されている不動産を指します(民事再生法第196条1号)。ローン返済中の建物が2棟以上あるときは、うち1棟のみ特例適用対象になります。

本要件で特に気を付けたいのは、個人事業主が申立人となるケースです。事業の実態そのものと合わせ、所得税申告時の家事按分(水道光熱費や地代のうち事業用途の部分を経費として計上すること)などを精査し、専門家の判断を得る必要があります。

②住宅資金貸付債権(住宅ローン)の要件

特例が適用できる“住宅貸付債権“の定義は、新築・購入・リフォーム・借地権取得などの目的で融資されたもので、かつ分割払いであることです(民事再生法第196条3号)。

その上でさらに、申請時点で以下の状況であることが求められています。

【住宅資金貸付債権(住宅ローン)の適用要件】(民事再生法第198条1項)

  • 法定代位により取得されたものでないこと…法定代位とは、主債務者(ここでは個人再生の申立人)に代わって弁済した連帯保証人へ、債権回収の権利が移転した状態を指します。
  • 住宅ローン以外の担保が設定されていない…住宅ローンに直接関係のない債権者(=債務圧縮の対象)が抵当権設定していると、特例を適用されても結局持ち家を失うことになります。したがって、他の債権者による抵当権設定がないことが条件です。

つまり、不動産を担保に住宅ローン以外で融資を受けなければならない状況が発生した後では本特例を申請できません。

言い換えれば、収支状況の悪化しないうちの手続きを心掛ける必要があります。

③手続き方法の要件

債務者(個人再生の申立人)自身の手続きの進め方についても、次の要件が定められています。

【住宅ローン特例の手続き方法】

  • 「債権者一覧表」に必要事項を記載する…特例適用対象としようとする債権が「住宅資金貸付債権」である旨に加え、住宅資金特別条項を定めた再生計画案を提出する用意がある旨を、申立時に書面で伝える必要があります。
  • 保証会社の代位弁済から6ヵ月を経過する日までに申立てする(民事再生法第198条2項)…滞納が進み代位弁済が起きてしまった場合の救済措置として設けられています。代位弁済が保証会社によるものであれば、期限内の申立てで「代位弁済がなかったもの」として住宅ローン債権者の地位を復帰させ、特例適用が認められます。

以上の適用要件においても、やはり適切な方法とタイミングで申立に着手するよう求められています。申立て時の書類不備には十分注意を払うべきです。

住宅ローン特例適用における要注意ケース

本特例の適用後は、住宅ローン返済を従来通り継続することになります。

個別事例で手続きについて検討しながら、再生認可決定後の弁済について見通しを立てておく必要もあるでしょう。

特に注意が必要なケースは下記の通りです。

1:住宅ローン返済が難しいケース

住宅ローン返済そのものに苦慮しているケースでは、そもそも個人再生は適しません。

他にも、住宅ローン以外の債権が100万円(=個人再生の最低弁済額)を下回っている場合は、再生手続きによる債務圧縮そのものが不可能です。

本ケースに該当する場合、債権者の許可を得て市場で売却を行う手続きである「任意売却」など別の手段をとるのが適切です。

2:税金未納・滞納があるケース

固定資産税等の公租公課は「一般優先債権」(民事再生法第122条1項)にあたり、個人再生の申立後も強制執行可能とされています。

つまり、税金滞納があると、特例の趣旨に反して持ち家を失う可能性があるのです。

3:競売手続きが進行しているケース

競売手続きが進行していても、個人再生手続きの開始後に裁判所の権限で中止させられます。

ただし、落札者が現れると手遅れです。落札者から元の持ち主(申立人)に住宅を返還させることは出来ません。住宅ローン返済が滞っているケースでは、一刻も早く個人再生に踏み切るべきです。

住宅ローン返済中の債務整理はお任せください

個人再生の「住宅ローン特例」を適用にあたっては、他の債権者による抵当権設定が生じていないことを前提に、申立時の書類に所定事項を記載しておく必要があります。貸金業者に対する返済だけでなく、固定資産税の納付状況にも注意しなければなりません。

借金問題は返済が長期化するほど悪化するものです。より早く弁護士が介入し、解決策を確保しておくことが大切です。

当事務所では、住宅ローン返済中のかたに個人再生をおすすめするとともに、弁護士費用のお悩みにも向き合っています。持ち家を確実に残しながら生活再建を図りたい方は、是非無料相談(平日夜間・土日対応可)をご利用ください。

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