個人再生のスケジュールと手続き期間―再生手続き後の注意点

個人再生の手続きは4ヵ月~5ヵ月ほどで完了し、その間に申立人として対応すべきことの一切は弁護士に任せられます。再生認可決定を待つ間は督促もなく、穏やかな日常を送りながら家計収支を立て直せるでしょう。

個人再生手続きの流れについて、その後控える返済時の注意点も含めて解説します。

個人再生の手続きの流れ

個人再生のスケジュールの大部分は、裁判所の指定通りに進みます。広島地裁の運用では資産状況の調査が省略されることが多く、申立後3ヵ月程度で「再生認可決定」がなされるのが一般的です。

個人再生手続きの流れ
・弁護士へ依頼
・債権調査・財産調査

↓1ヵ月~2ヵ月程度
・再生手続開始の申立て
↓2週間程度
・再生手続開始決定
↓1ヵ月半~2ヵ月程度
・債権届出期限・異議申述期限
・再生計画案の提出期限
↓5週間程度
・再生計画案の決議
↓2週間程度
・再生認可決定
↓2週間程度
・再生認可決定の確定

手続き中は督促なし・返済も原則不要

弁護士に依頼した段階で督促は停止し、これまで毎月行ってきた返済は再生認可決定時まで不要になります。
ただし、後述の「履行可能性テスト」により、手続き中から積立金が発生する可能性は否めません。弁護士に見通しを立ててもらい、生活再建の計画をしっかりと練る必要があります。

申立て時の必要書類

再生手続き申立時の必要書類は多岐に渡り、一人で収集するのは困難です(下記参照)。
弁護士に手続きを依頼した場合、必要書類について、それが必要な理由や内容について、丁寧に理解できるまで説明を受けることが出来、手続きの見通し等を十分に理解した上で、適切に準備することができます。

【個人再生手続きの必要書類】

  1. 再生手続き開始申立書
  2. 陳述書
  3. 債権者一覧表
  4. 財産目録
  5. 家計収支表
  6. 申立人の身分を証する添付書類(戸籍謄本・住民票など)
  7. 財産を証する添付書類(通帳のコピー・給与明細・固定資産評価額証明書など)

再生手続開始決定後の流れ

再生手続開始決定後は、裁判所の指定した期限内に、申立人からは「債権者一覧の届出」・債権者からは「債務額の届出」をそれぞれ行います。ここで当事者それぞれの認識する借金の状況を一致させるため、申立人から「再生債権の認否表」「異議申立書」などを提出しなければなりません。
申立人からの届出は、事前に行った打ち合わせ内容に沿って弁護士に任せられます。

再生計画案とは

再生計画案とは、手続き終了後からの返済計画(毎月返済額と返済期間)や住宅資金特別条項の利用について記載したものです。
計画案の策定にあたっては、民事再生法の最低弁済額を参照しながら、裁判所の認可要件に沿ったものにしなければなりません。
再生手続開始決定後の他の手続きと同じく、弁護士の有する知識をベースにすることで、認可要件を満たした無理のない返済計画案を落とし込めます。

個人再生手続きを始める際の注意点

個人再生では債務額をゼロに出来ず、一部の債務は減額対象に含めることが出来ません。また、資産状況によっては「個人再生委員」が選任され、積立金が生じる可能性があります。
手続きを始めようとする際は、少なくともここで紹介する注意点を説明できる弁護士に依頼すべきです。

「履行可能性テスト」が実施される可能性がある

履行可能性テストとは、再生計画案が実行可能か見極めを行うため、手続き中から一定額の積立を開始する試みです。裁判所によって運用方法は異なり、個人再生委員が選任されるケースや、資産や収入状況が個人再生の手続き要件を下回りそうなケースで実施されることもありますが、広島の場合は全権について積み立てを要求されています。

積立金は再生認可決定後の債務額に充当されますが、テスト実施の見込みがある時はいち早く収支状況を改善できるよう心掛けるべきでしょう。

税金は減額できない

住宅にかかる固定資産税など、税金は再生債権に含めることが出来ません。
手続き中も納税は期限通りに行う必要があり、税の納付状況によっては住宅ローン特例(住宅資金特例条項)が適用できない懸念もあります。
ここでもやはり、家計改善の重要性は高いと言わざるを得ません。

普段通りの生活で「ベストな減額」を目指せます

個人再生の手続きは一切を弁護士に任せることができ、そのあいだ督促や返済のプレッシャーからも解放されます。債権認否・再生計画案などのルール理解が求められる手続きも、事前の打ち合わせ通りにベストな措置を任せられます。

再生手続きのプロセスで最も重要なのは、事前に手続きの見通しを立てる段階です。
履行可能性テストの可能性や、税金等の再生債権に含められない負債の扱いなどを判断し、再生認可決定後に挫折することのないプランを立てておくべきでしょう。

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