弁護士と司法書士の違い―債務整理を弁護士に任せるべき理由
借金問題の解決に動き出したばかりのときほど、司法書士と弁護士のどちらでも受任できる点で困惑します。
業務範囲や解決率にどんな違いがあるのか分からず、相談先選びに難航しがちではないでしょうか、
法律事務全般のエキスパートである弁護士は、債務整理の成功の要である「貸金業者との交渉」「裁判所での対応」のどちらにも通じています。
本記事では、弁護士に借金問題の解決を任せるメリットを、司法書士との比較で紹介します。
弁護士と司法書士の違い
弁護士・司法書士はいずれも「法律事務の専門職」ではあるものの、主に取り扱う業務が全く異なります。
司法書士は不動産登記・相続などの事務作業で解決できる悩みをメインに取り扱うのに対し、弁護士は「当事者間で意見対立があるケース」を中心に受任しています。
・弁護士 ・・・債務整理・損害賠償請求・離婚問題・その他訴訟など
・司法書士・・・不動産登記・法人登記・遺言書作成など
こうした得意分野に違いが生じるのは、以下で解説する「弁護士と司法書士の職権の違い」に起因しています。
違い1:扱える債権額
専門職ごとの顕著な違いは「受任できる訴額」です。
司法書士(所定の要件を満たして認定を受けた場合)は訴額140万までしか扱えないのに対し、弁護士は争いのある金額に制限なく受任できます。
認定司法書士に設けられている金額制限は、そのまま「債務整理しようとする債権の額」に準用されることが、最高裁で明確にされています(平成28年6月27日判決)。
違い2:訴訟代理権の有無
司法書士には、簡易裁判所より上位の裁判所(地方裁判所・高等裁判所・最高裁判所)での訴訟代理権がありません。
これに対して弁護士は、最高裁までのどの裁判所でも制限なく代理人として活動することが認められています(=訴訟代理権)。
たとえ債権額140万円であったとしても、認定司法書士では訴訟中に対応できなくなる可能性があります。
しかし弁護士が受任する案件では、判決もしくは和解・あるいは控訴(上位の裁判所で再度審理してもらう手続き)が行われても、続けて解決まで代理人として活動できるのです。
弁護士に債務整理を依頼する4つのメリット
債務整理の手続きでは「債権者との交渉」あるいは「裁判所での対応」で借金減免を実現します。
訴訟代理権を持ち、書類作成から交渉まで一括で扱える弁護士であれば、その経験と相まって依頼人にさまざまなメリットを提供できます。
・任意整理 → 減額と返済期間延長を最大限延長させられる
・過払い金請求 → 返還実現が難しいケースでも交渉成功に導ける
・個人再生 → 再生手続きの目的に合わせた最適なプランを建てられる
・自己破産 → 予納金を低く抑え、より確実に免責許可を獲得できる
周囲に秘密にしながら手続きできる
どんなケースでも制限なく代理人として活動できる弁護士であれば、手続き全体を問題解決まで確実に任せられます。依頼人自身が債権者や裁判所との対応を行う必要は一切ありません。
「いつ連絡がきて職場や同居家族にバレるか分からない」という不安を抱くことなく、日常生活に集中しながら借金の減免を実現できるのです。
和解交渉で迅速かつ納得できる結果が得られる
私的整理(任意整理・過払い金請求)は、問題解決の結果が「交渉力」に左右されます。
債権額や訴訟の必要性に依らず粘り強い交渉を行えるのは、弁護士ならではの強みです。
最終的に無理のない毎月返済額を実現できることで、完済時期・家計再建の目処が立ち、精神的な不安も一挙に解消できます。
裁判所での手続きをフルサポートできる
法的整理(個人再生・自己破産)では、裁判所から求められる手続きと説明をスムーズにこなすスキルが成功の要です。
司法判断に通じた弁護士であれば、膨大な数に及ぶ申立書類の準備から審尋(裁判官との面談)まで、依頼人の事情に沿ってフルサポートできます。
裁判所と債権者の都合に左右されやすいスケジュールについても、あらかじめ見通しを立てて進められるのも強みと言えるでしょう。
費用が安くなる
サポート範囲がそのまま費用に直結するとイメージされがちですが、弁護士と司法書士の依頼費用はほぼ同程度です。
法的整理においては、代理弁護士があらかじめ資産調査を完了させることで予納金(裁判所に納める費用)が低額化するため、弁護士への依頼がむしろ節約につながることもあります。
比較項目 | 弁護士 | 司法書士 |
---|---|---|
手続き期間 | 4~6カ月程度 | 6カ月程度 |
費用合計 | 55~75万円程度 | 45~55万円程度 |
費用内訳 | 専門家報酬:40~60万円 予納金:15万円程度 |
専門家報酬:30~40万円 予納金:25万円程度 |
比較項目 | 弁護士 | 司法書士 |
---|---|---|
手続き期間 | 5~7ヵ月 | 7~10カ月 |
費用合計 | 40~60万円 | 40~60万円 |
費用内訳 | 専門家報酬:20~40万円 予納金:20万円程度 |
専門家報酬:15~30万円 予納金:20~50万円 |
※金額は2020年現在の目安です。
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弁護士に債務整理を任せることで、借金問題が行き詰まるまでの日常を維持しながら、債務減額の目的を最大限達成できます。
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